おいおまえら! これはおいらのものですか?


「お前のものはおれのもの,おれのものはおれのもの」という有名な格言が
ありますが,引っ越しなどやってしまうと「これなんでここにあるんだ」と
首を傾げたくなるものがたくさん出て来ます.誰のものなのかわからなく
なってしまうほど記憶があいまいな出物,どうすればいいのさこれって….

雑誌の付録について来たCD-ROM.プラケースじゃなくて薄っちいぺらぺらの
シートに入ってるアレ.捨てるべきか捨てざるべきか.まあOSのディスクは
いいかげん中途半端に古いものが多いので,これは保留しておこうかな.

大量に溜ったレシート.活字中毒なためなにか文字が書いてあるものって
捨てるのにすんごい勇気がいります.たかがレシートじゃないか,と頭で
判っていてもそれをココロが割り切らない性分なもので.保留箱へと.

もう使えない電車のプリペイドカード.でもこれって裏面に何時何分ごろ
どのあたりにいた,という記録がきっかりとなされているわけで.そういう
いつ何かの役に立つかもしれないものを捨てるなんて,捨てるなんて….
しかたがないから保留箱の奥のスミのほうにでもしまっておきましょね.

そんなこんなをしていると,結局真ん中の保留箱だけがいっぱいになって
当然必要なものの箱はちらほら,そして捨てるモノの箱はからっぽのまま.
捨てられそうなものでもついつい引き留めておきたくなるのは欲張りなのか
自分の曖昧な記憶をせめてかき集めたいからなのか.そんなことばかり
考えているから所有と廃棄の間がどんどん広まっていってしまうのですな.

思ってみれば,「これはいらない」と宣言した瞬間からソレはゴミになって
しまうんですよね.しかたがないこととはいえ.でもぼくにとってみれば
「これはぼくのもの,ですか? 」といちいち問いかけないと自分のものだと
実感がわかなかったりするので,結局ひとまず置いとこう,なくしちゃって
怒られたりしたらやだし….という消極的理由で蒐集家になりさがっている
わけです.ああ,今日も一日何も片付かなかった.昨日もそう思った….


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