念のためなんとなく生きる


死ぬのが馬鹿らしいほど生きるのがくだらないと思える瞬間は必ずいつか
あるわけです.なんかいいことないかな,と探してみてもそんなモノなど
どこにもないまままた24時間が過ぎてゆくわけです.区切られて区切られて
その区切りにうまくからだをはめこめなくて,そしてどこにも入れないまま
なんとなく生きている状態です.じゃあ死ね,と今すぐここで罵倒されても
くしゅんと下を向いて圧し黙るしかないんですけどね.なぜ生きてるの?
それは念のため.ぼくの知らないところでなんかいいことが起きたときに
おめでとうって言ってあげられるように.本当にそれだけで生きてます.

そのうちだなんて言ってるからだめなんだ,今の生活に満足できない奴に
未来の満足なんて絶対にありえない,ということはよく言われてますが….
たとえば今が最高だったら,明日は必ずもっと悪い日.もうこれ以上には
なりっこないんだったら,明日は今日よりきっと悪い日.ぼく自身は今の
生活に満足していないというわけではなく,ただ単純に恐いんです.現状が
どうにもならないとこまで行き詰まっていることに関して.もっと勇気が
あるんなら,現在の状態をぜんぶリセットして,違う人間のふりでもして
生きなおしてみようかと思うくらいです.ここでいうリセットと言うのは
自殺と言う意味ではなく,身分とか立場とかそういうのを投げ捨てて所謂
普通の職業についてみる,ということで.親のひととのしがらみとかもまた
容易に予想されるし,なかなか実行には踏み切れないんだけれどもねえ.

なぜ行動を起こさないの,と問われれば「なんとなく」としか答える気力が
ありません.幸せでも不幸でもない現状をもろりもろりと維持するために
「念のため」と答える事もあるかもしれません.このまま転がる石のように
どっかに行ってしまいたい気分でいっぱいです.どうせなにも終わることは
ないんだし,何かが始まるにしてもぼくはそれへの興味を失せすぎてます.

でも念のため.なにかささやかでいいから,涙が出るほどうれしいことが
もしあるのなら,生きててもいいかなと思えることはあるかもしれません.
そんな日は来ない事を判っていながら今日も眠れずにうじうじするんです.


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