けんかをする日


睡眠のリズムがズレにズレまくって一周.薬を服むタイミングはそのまんま
ほったらかされたまんま.こういう時に限って昼間にぽっかり時間があいて
親のひとに電話などかけてしまうのは地雷源に諸手をあげて走り込んで行く
ようなもので,我ながら破滅型の性だと思う.頭のねじがゆるんでる状態で
あれこれ話してもロクなことがないのは陽の目を見るより明らかなのに.

知ってる人は知ってるがいま親のひとは無職である.弱っている.ぼくにも
バイトなどの口がない.弱っている.弱っているもの同士で話を進めても
話は暗い方に傾いて行くばかり.こういう時に限って親のひとは物の見事な
タイミングで将来や就職の話などを持ちかけて来る.とりあえずの関心事は
そこばかりらしい.そのへんはしょうがないと思う.けれども思うところを
いろいろ告げるたびにことごとく反対されるというのはこちらも閉口する.

「結局お前はひとつも変わってないな,向上心がないな」とのこと.しかし
人間の性格なんてそんなに簡単に変わるものではないと思うのだけれど.
向上心のなさは昔から今まで相変わらずだし,開き直りととられようとも
こればかりはしゃきしゃき変えるわけにもいかない.ぼくにはぼくで今まで
生きて来たしょぼいなりの人生観と言うものがあるのだ.「こんな苦労して
学校にやってるのに,それまでの金と時間が無駄だ」というのはいかにも
商売人気質としては結構な意見だが,子育てに関して金銭的に損とか得とか
言い出すのはいかがなものかと.比喩ではなく本当に損だとか儲けだとか
いう単語が飛び出して来るのだから辟易する.さっきまで回り道するのも
経験のひとつだと言っていたのに,無駄な時間を費すのは損だというのは
少し矛盾するのではと思う.そのような矛盾をまたいちいちつついていき,
聞き流せばよい話をさらにややこしくしてしまう自分.ぼくは大きな声など
出さないので,電話での喧嘩となるとこういう精神的でねちっこいかたちに
なってしまう.喧嘩は大声を出せば勝ちだという親のひとと,決してそんな
ことはないと淡々と言い続けるぼくと.要するに反りが合わないのだろう.
ぼくの言うことは必ず正しくないし,親のひとの言うことは必ず正しい.
もうそれで話を切り上げたいとも思うが,ついまた半端な反論を繰り返す.

結局1時間以上も説教とも喧嘩ともつかない,うやうやした時間が過ぎる.
そして時間を費しても双方の考え方のギャップは埋まることなど,ない.
話が長引くのは見えていたことなのでコレクトコールにしておいて正解.

電話を静かに切ってから洗濯をして本棚の整理をした.もやもやした気分は
どこまでも晴れることなくのそのそとココロやカラダに寄りかかっている.
まだ薬は服んでいない.とっとと服んでいいかげん眠るべきなのであろう.


back.