しがらみがしがらんで


いろんなものごとの辻褄が合わなくなる.無収入なので.しょうがないので
親に金を無心することに.それで電話をかけたのがそもそものはじまり….

自分から怒りにまかせて電話を叩っ切ったのは物凄くひさしぶりかあるいは
初めてかもしれません.それくらい今日は親のひととの意見があわなくて.

まあもちろん最初はおとなしく,金を借りようとする側としてしおらしく
話を持っていこうとしてました.壱萬円送っていただけませんか,などと.
だけど話はそこだけにとどまらず,現在の状況はどうなのかというところに
導かれていったんですね.まあしょうがないといえばしょうがないですが.

学校を辞めたことについては親は承伏しかねているらしく,いまだに学校に
留まっていればなんとかなったものを,と言って来る.だけどね,もしまだ
学校に通い続けてたら精神安定剤の量はもっと増えてたと思います.なのに
大学にいさえすれば安泰なのに,と何か夢をあきらめきれないかのように.
文系の大学院で職が確約されていることなんてほとんどないわけですしね.
そのあたりをどうやら大きく誤解したまま親のひとは過ごしてきたようで.
金銭的にも苦しかったけれど,なんとかしようと思えばなんとかなったかも
しれないのに,という話がいくつか.どうにもならないと思ったからこそ
ぼくは学校を辞めて自活する方向へ道を修正したのだけれど,その自活が
まだできていないせいでちくちくといろいろ言われてしまいました.でも.

病院に通い続けている事まで口を出すのはどうかと思うんですよ.安定剤に
ついてはともかく,頭痛薬を服んでる事まで「おまえの気合いが足りん」と
言われるのとは思ってませんでした.頭痛持ちのひとなら判ると思いますが
あの痛みに対して気合いがどうのとか精神論を持ち出されても困るんです.
そのことについ腹がたってしまって,こちらから電話を切りました.…まだ
修行が足りないようですね.理想として「感情的にならない人間」を目標に
しているのに,まだまだ届かないようで.ああ,無機物になりたいよう.

電話を切ったあと,こんなにも親のひとたちから誤解されているという事に
なんともいえない不快感を感じました.それは期待と呼ばれる感情なのかも
しれませんが,失望したくなかったらなにもぼくに希望して欲しくないなと
思ったりもするものです.だけどすぐにはそんな冷静にはなれず,頭の中は
親のひとに対する呪詛のことばでいっぱいいっぱい.それこそ親と言う名の
しがらみをすべて断ち切ってしまいたいくらいに.昔死ねと言われたころと
同じように,親でもなければ子でもないというくらいのことばを投げかけて
くれれば,ぼくは精一杯うれしそうにそのことばを受け入れてあの人たちの
こどもでいることから解放されるでしょう.だけど,いろんなものが足元や
指先からしがらんできて,結局抜け出せないんだろうなあとも思いますが…

そしてぼくはそこから抜け出すために精一杯もがいてみてるところです.
これ以上不愉快にならないためにも,これ以上理性をなくさないためにも,
悪い連鎖はどこかで断ち切らないと.これ以上惑わされるのはたくさん.


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