バンザイ・アタック


仕事で遅くなったので適当に外食したその日.普段から信号や車ががーすか
通っていて,実際にここで事故を目撃してしまったこともある.で,そんな
危険な場所で危険な時間に危険に自転車を漕いでおりました.またそこらは
ゆるい下り坂がずーっと続いていて,勢いがついてかっこーんと走れます.
信号の変わり目をすり抜けくぐり抜け,青のうちに先へ先へ.ところが….

信号が青なのに,目の前のタクシーが停まりやがった.左には微妙な位置に
人がてくてく歩いている.避けきれない.誰かにぶつかるくらいならば….

人に迷惑をかけてはいけません.ということで自滅の方向へ.複雑に絡んだ
道路の中にある,陸橋の支柱に激突いたしました.いいんです,他の人に
怪我をさせることを考えれば,自分だけが怪我をするほうがよほどマシ.
100kg超級の加速度で左半身を強く打撃.肩と首に大きなダメージ.なぜか
自転車は逆に放り投げたためか無事.…まあぶっ壊れてもその後の生活に
大きな支障を来すので,壊れたのが自分だけでまあよかった.ともあれまず
家に帰ろう.信号を渡って,坂を登って,家に帰り着いて,ふうーっと.

まずは居間にたどり着き,どてっと横になる.その途端どっと汗をかいて
自分の痛みに気づく.うー.起き上がろうとしてもちょっと無理っぽい.
困ったなあ,これじゃ何もできない.助けてほしい.声をあげようとしても
喉がひゅーひゅー言うだけで音にならない.しょうがないので無事な右手で
携帯を鳴らし,家主さんを呼び出す.同じ家にいても声が届かないくらいに
だめになっていたのでした.とりあえず声にならない声で事情を説明し,
車で病院に連れていってもらう.救急外来は2時間待ちだそうで.だけど
待つしかないので手続きをすませる.実はこの間,意識がかなり朦朧として
自分がどちらの方向へ向かっているかも判らなかったのでした.待合室の
長椅子に座り,ずーっと固まって名前を呼ばれるまで忍耐.目を閉じた方が
楽な気がして,ただひたすらに眉間に皺を寄せぎりぎりと待つ待つ待つ.

で,診察を受けて,レントゲン撮って,再度診察.骨に異常は見当たらず
筋がかなり張っているので,軽い鞭打ちということになりました.だけど
あのよく見かける首固定装置はつけてもらえなかった.ちょっと残念.
まあ痛み止めを服んで湿布で治す,という方針で治すことになりました.
左腕が肩より上がらないのと,首が回せないくらいで済んでラッキーかも.

しかしまあ幸いにもその翌日が祝日で.一日中ぐったり.とにかくひたすら
安静に過ごして絶対臥褥状態.痛みのせいか熟眠できていないのか,普段の
何倍もだるだる.睡眠薬増やして無理矢理にでも自分を寝つかせましょう.

申し訳なくも次の日も一日お休みをいただく….深夜緊急外来ではなく,
まともに整形外科に見てもらう.まあ同じ病院なので診断に大した差など
でるはずもなく,まあ同じ所見で同じような湿布と同じような薬となる.
実はこの時点ではまだ会社に行くつもりだった.だけどいったん家に帰ると
ばたりと倒れてしまい,そのまま昏睡.あとで見てみると,玄関から廊下,
部屋に到達するまで少しずつ少しずつ身に着けたものをはずしているのが
まるでマンガみたいだった.玄関に靴,その一歩先に鞄,そして廊下沿いに
コート,靴下,携帯電話,眼鏡.そして布団に到着してぐったりぐだぐだ.

ようやく今日の午後になって仕事へ向かう.いやー,やっぱり事故なんて
起こさないに越したことはないですな.ということで大したネタにもならず
首の痛みを抱えて今日もお仕事してきました.さて週末だ絶対臥褥再開.


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