あなぐら

あなぐらはあなぐらのまま
だれかがえぐりとったなごりのまま

だれかがここにいて
なにかのためにほりすすめたまま

ぼくはここにいる
なにかのためのあなぐらのまえに

だれもかくれてやしないのに
ぼくはすこしだけときりとする

だれかがえぐりとったなごりのまま
しずかにじかんだけがこのあなをうめていく

だれかのためのさびしさが
くうきをゆらしてひびいていった

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