妄想の欠片

血管の中に小さな虫がたくさんいる.
耳元でぼくだけの小人がささやいている.
誰かがぼくの背中を指差し続けている.
その窓から白い人が覗いている.
前を歩いている人の顔が融けていく.
ぼくにはすべてが判っている.
誰も彼も笑いが止まらない.
タイルの目地がすべてなめくじに変身する.
頭の中に爆発音が聞こえる.
輝く水色の小さな粒粒が周りを飛んでいる.
部屋の柱の隙間から無数の蟻が這い出してくる.
なんだか何もかもが不気味でつまらない.
ぼくの頭の中に直接中傷誹謗を垂れ流す電波が存在する.
いくら洗っても手の汚れが落ちない.
ぼくはとても重大な秘密を握っている.
手を離すとそこから地球が壊れてしまう.
ぼく以外の人全てが示し合わせたように気が狂ってしまっている.

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