言葉を束ねて託しても
歌えない歌がある
君には言えない事柄が
隠し味ひとつまみ
まだ立ちすくむ街路樹を
また木枯らしに置いてきて
誰かのせいにしてる
さようならの午後
はらはら流れていく枯れ葉
なにくれと踏みつけて
さくさく聞こえる足音に
思い出を振りほどく
まだ思い出せるあれこれを
また思い返すことばかり
繰り返してるぼくは
回り道をする
風吹きすさんで
夢崩れ去って
鈍色の中に
思い霞んでも
うつむきながらも
くじかれながらも
いつか来る光を
ぼくは実は知っている
だけど
君の笑顔が素敵すぎて
わざと伝えなかった
ひりつくのはぼくだけでいい
冬沈む恋心
まだ時折の残像を
ただ忘れればそれでいい
まだ消え残る思い出も
ただ音もなく投げればいい
よく晴れたこの空に
弱い陽射しの中に
見上げた青い夢と
ひとすじの涙