蓄積されない
つのる思い
いつかなにかの役に立つから
きっと誰かが見てくれるから
そして人気者になれるから
夢を見ます
春は花粉症に泣き
夏は青空を厭い
秋はただ思いを憂い
冬は冬眠を試みる
なにもしなかったんでしょう
本を読むにも斜めで
映画なんか観ないで
音楽も中途半端で
文化的最低限で生活して
なにもしなかったんでしょう
昔の思い出だけを大切にして
在りし日の記憶を自慢にして
なにをなすでもないひとに
なってしまったんでしょう
面倒だねと
寝言ばかり
こぼれおちる
つのる思い
そろそろですよ
おそれるあまり
背を向ける
なにをなすでもないひとよ
背中に隠した冷たいものに
溺れていくのが道理だろうか