甘く駄目な香り
世界中の花を融かして
霧の中に吹き込む
吸い込んでやがて届く甘く駄目な香り
ぐずぐず熟れ落ちそうな果実
触れれば指から潰れそうな
それはあまりに剥き出しで
まるで心のようではないか
香木の煙に乗せられて
目を塞いで見る
古い脳が誤魔化された夢を巡り駆ける
遮光瓶からこぼれる液体
麻痺して行く感覚機能
精製水は有機物に汚染され
からっぽの世界へと蒸散してゆく
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