エピタフ

サキノハカという黒い花を
このただの石の塊に捧げる
想いを込められたふりをした
よくわからないこの代物に

ぼくは手を合わせた
硅素と酸素と諸々に対して
そしてそこにあるとされている
カルシウムやエーテルに対して

思い出は誰のものでもなく
離散しながらそこにぼんやりと
かたちづくられ受け継がれる
もうここには何もないのに

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