誰も世界を憎んではいないと あなたはやさしい笑顔で言った 星も刺も月も時も影も夢も虫も砂も ぼくを殺しにこないと言った
それでもぼくは不安になって 部屋の鍵をもういちど確かめる
明日になったら笑えるように あなたはやさしい笑顔で言った 水も闇も音も街も歌も鳥も夜も風も ぼくを殺しにこないと言った
それでもぼくは未練がましく 自分の名前をノートに書き殴る
薬色に視界がゆがむ ぼくはもう眠いんだ おやすみさよならまたあした 朝が来なければなおいいね