世界を憎むほどの強さもなく
ただほとほとと涙を落とすだけなのです
ひとはわたしたちのことを
弱きものと呼びます
行く手を示すほどの力もなく
ただゆっくりと腕を下ろすだけなのです
誰もわたしたちのことを
思い出しもしないでしょう
うれしさもかなしみもすりきれてゆきました
やるかたないこころもわすれてしまいました
わたしたちは生きるしかできないのです
その意味など考える暇もなく
蔑まれ追われ閉ざされるわたしたち
がらんどうの心にただ涙だけが落ちるのです
奪われ傷つけられ殺されるすべてたち
生まれたからには生きなくてはいけないのです