かなしみははだからしみとおり
こころのなかにひろがってきます
おなじかなしみもつひとはみながみな
かおをとじたままうつむいています
かなしみはしずかにながれとまって
ほどきづらいくさりをつくります
ことばはなにもできずにうずくまり
ただあかりだけがまぶしくうかびます
たのしいおもいでをまだはこびさらない
ゆるやかなときのながれがにくらしく
いつまでもとどまるこのきもちには
だれもなまえをつけようとはしません
のこされたひとびとはあきのよるをおもくすごし
とむらうためのあさをまちつづけます
しずかなかいわがとぎれがちにつづき
むしのこえだけがとおくになっています