鈍い闇の無重力に 水銀をぽかりと浮かべて ぼくのランプは油が切れて きれいには光らないけれど うっすらと照らされた銀色は まるで昔なくしてしまった夢みたい
ビー玉をばらまいてみる ラムネ色の星が生まれる ぼくには何が作れるのだろう 自分のこともわからないのに フラスコはゆったりと体液を揺すぶり 逃げ出す色で熱を持ち始める
酸のしずくのじゅんという音 それだけが響きわたる淡い風景