その夜ぼくは眠れずに闇の中
細い目をさらにうっすら開けて
このかわりばえしない部屋を見ていた
あと5人眠っているはず
シーツの波に溺れそうになる
たまに外に出て息継ぎしないと
みんなみんな死んじゃうかも知れないよ
あと5人眠っているはず
朝のチャイムが鳴っても眠れない
昼の自由時間はすることがない
午後の早いうちに夕食が出てきて
長い長い夜がまたまたはじまる
夜になればぼくはひとりきり
あと5人は楽しそうに泳いでる
ぼくも退屈を紛らすことができなくなり
薬色の悪夢を楽しみに目を閉じる