台所の魔法使い

それは昨晩のおはなし.部屋の隅に
転がっていたレシピ集を,ふらっと
同居のひとが拾って.ぱらぱらっと
めくって,何気なく,これ作ってと
言われました.えー,何それ知らん.

でも,たまにはひとさまの役に立つ
ことでもしようかと思い,かしりと
カメラでメモを撮ります.まったく
ゼロから献立を考えるよりは楽かも.

それとはまったく関係なく,偶然に
最近話題になってた料理番組を録画.
午前中に整骨院に行って買い物して
帰って来てからひとり観てみました.
言われてるほどひどいとは思えなく.
実際台所を切り盛りしてたら少しは
粗雑なふるまいもあるさ.自分でも
皿洗いながら足で雑巾を踏んづけて
床掃除してたりするし.まあそれを
全国放送したり再放送したりすると
いうわけではないので許されている
だけかもしれませんが.難しいねえ.

それでは調理開始.かかってこいや
チキン白ワイン蒸しツナソース添え.
つけあわせとして指定されてるのは
かぶとさやいんげんとパプリカ,が,
個人的にはあまり好きではないので
ほとんど触ったことがない,かぶを
おそるおそるさばく.葉はざくざく
適当に切って,細切り人参と一緒に
塩ゆでして冷水に晒す.中華だしで
味を付けてごま油で和えて,簡単な
ナムル完成.茹でている間に本体を
短冊に切り,パプリカと一緒にすぐ
茹でられるように準備しておきます.
いただきものの馬鈴薯があったので
玉ねぎと一緒にくつくつと煮ておく.
冷凍庫に温存されていたベーコンを
ばきばき割って放り込んで,塩気は
これだけで充分のはず.じっくりと
だしを野菜にしみ込ませてスープに
仕立てます.その一方ツナ缶を開け
生クリームとマヨネーズとまとめて
フードプロセッサーに放り込み撹拌.
本当はアンチョビも入れるのですが
高いのでパス.その分塩味を追加だ.
このへんで同居のひとが帰宅なので
時間を合わせて鶏もも肉を塩胡椒で
揉み込み,煮立てた白ワインに入れ
ふわらっと蒸かす.この時の蒸気に
あてられて,ちょっとほわん,あと
まっとうに立てなくなる.下戸です.
本当にアルコール苦手で.換気扇を
しっかりかけて立ち直り,がっつり
火を通してアルコールを飛ばします.
皿に肉を盛る.肉汁とソースを混ぜ
ひと煮立ちさせて塩胡椒と刻みねぎ.
並行して茹でておいたつけあわせの
かぶとパプリカを添え,どろりっと
ソースを乗せ,パセリを添えて完成.
魚沼こしひかりと一緒に召し上がれ.

初めての食材や調理法はどきどきの
連続ですが,できなかったりまたは
知らなかったりしたことを知るのは
とても刺激的.得意ではない野菜も
なんとかつきあえるような気がする.
後片づけで皿を洗いながらやっぱり
足で床を拭いたりしながら,そっと
きょうのクリエイティヴを完了する.
料理も作文も,そういうものはまた
自助として働き,孤独をそろーっと
剥がしてくれるので.ありがとうと
思いながら今日もゆったりと過ごす.

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