スイッチ・オフ
とある事情から,一日薬を服まないでいた.そしてタイミングがずれた.
24時間眠り続けた.それからずっと起き続けていた.ある地点からほつりと
心の中のスイッチが切り替わった.ああ,ここから鬱に転がり込むんだと
なんとなく判った.薬が身体から全部抜け切ったような感覚がよぎった.
薬を服み続けるのは惰性である.いったん動作の慣性が失われてしまうと
やはり服むのに抵抗が生じる.そしてそのまま今に至る.スイッチはまだ
次へと切り替わらない.このまま死んでもいいんじゃないかなと思った.
この身体は実験室のようなものだ.それが好もうと好まざるとに拘らず.