軍配はどっちにあがる


年齢を四捨五入という行為は愚の骨頂ではありますが,それでもなおかつ
ヒタヒタと三十路は迫り来るわけですよ.避けられんのですよこれがまた.
夏には誕生日を迎えてまたひとつ年を取ります.いいかげん27歳が見えると
人間と言うものは保守的になる傾向があるんでしょうか.いい歳でいながら
ほかの友人たちとは違い一銭も自力で稼いでいないいい御身分のわたくし.

…勉強するよりほかにすることあるやろ.と心の隅っこの虫は囁くのです.

いやあんまり勉強に身を入れているわけでもないんですけれどもね,実は.
だけど高校のころの同級生がみんな給料取りになってがっしがっし稼いでる
姿を見たりすると,なんかこのままではよくないのではなかろうかという
不安が渦を巻いてくるわけです.事実,この数日かなり頭が煮えてました.

「そんなに悩むのならいっそ大学院なぞやめてしまへ」.頭をくすぶらせる
そんな言葉の数々.就職情報誌も買ってみました.条件的にぼくなんかでも
いけるのではなかろうかという甘い読みで選択されたページには折り目なぞ
つけちゃったりもしてます.履歴書貼布の写真はやっぱり髭面ではいけない
ものなのだろうか,とかなりどうでもいいことを悩んでみたり.文具売場で
履歴書を買ってみたり.ぶっちゃけた話金銭的にも余裕がないので,ここで
一発金を払う側から貰う側へとまわってみたい,という結果このありさま.
行動のどれもこれもがまだまだ中途半端ですねー.と冷静に自己ツッコミ.
要するにうまくいかない現況からとにかく逃げ出したいだけちゃうんかと.

でも,今までの人生たいていのことは考えすぎて時間切れになった事の方が
多かったんですよね.それは揺るがぬ事実.普段のぼくの優柔不断さを知る
ひとであればみな頷いてくださると思います.てへ.可愛く言ってもダメ.
いっそ修論中間発表会で「ハンドアウトはございません,前期をもって私は
この学校を退学致します.その後の進路は定かではありませんが就職活動を
現在行っているところです.質問その他は後日メールでお願いします」とか
よどみなく言えたらある意味かっこよかろうなあ.あくまである意味ね.
言い替えれば「ごめんなさいぼくやっぱりこの学校についていけませんので
いろんなことぶっちぎって辞めちゃいます関係者の皆様ごめんね」ってのと
やってることなしてることビタイチ変わらんしな.だけど恰好がどうだとか
面子がああだとかプライドがこうのとか言ってる場合でもないのは確かだ.

いつまで学校にいるかわかんないしな,とかささくれたことを考えながら
学校に来てみると,そういうときに限って後輩がちょっとやさしかったり,
担当教官からのメールが「ああ見捨てられてるわけじゃないのか」という
微笑ましい解釈でもって読むことができたりするもの.そんなちょっといい
話の後には「やっぱり修士だけでも出ておくもんかなあ…」とか心がまた
うろついたりします.学校に愛着がないと言えばウソになるし,ねえ….

いずれにしろ三十而立が実行できないようだったらとっとと見切りを付け
自分に研究者の資質がなかったこと,そしてそれに気づかなかったことを
怨みながらなんとか就職への道をたどる事でありましょう.でもまだ少し
迷っているところです.二つの分岐路,どっちへ進めばいいのかなあ.


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