奏でたいの.
現在脳内進行中の物欲衝動,それは楽器だったりします.楽器を弾くのを
辞めてから5年近く経ちますが,むらむらと音を奏でる魅力に取り付かれて
しまうことが時々あります.でも楽器と言うのは贅沢品なのでどれも自分の
手には入ってないんですけれどもね.そもそも先立つものがありません.
以前楽器弾きをやってた時にはコントラバス担当でした.楽器を運ぶのが
とても大変で,ぶつけて割った事があります.へにゃ.当時大学のオケに
所属していたんですが,お金はかかるわ練習で休みは潰れるわで大変だった
覚えしかありません.ひとりで弾いてもおいしくない楽器だけれども,でも
あの馬鹿でかい楽器によっかかり音を紡ぐのはなかなか心地よかったなあ.
さすがに楽器そのものを買うわけにはいかなかったし,現状手元にあるのは
弓だけなんで音が鳴るわけもありません.まあ自分勝手に美しい思い出と
いうことにしておきましょう.また弾く事になると左手の形が大変だし.
コントラバスよりは安いけれども,やっぱり高いアコーディオン.どうして
アコーディオンが欲しいのかと言うと,コントラバスではできない和音の
表現が簡単にできるからなんですね.キーをひとつ推すだけで和音が出る.
これなら楽譜についているコードをなぞっていけば簡単に弾き語りなんぞを
できるかもなあ,と思ったからです.でもまともなアコーディオンを探すと
けっこうな値段になってきて,20万円オーバーくらいですか.道は遠いな.
それからもうひとつ,昔授業で見たビデオの中の演奏.なにもない空中を
指が舞い,それで音が奏でられる不思議な楽器.テルミンという名前すらも
奇妙な響きですが,この楽器で奏でられた「白鳥」は絶品でありました.
普通の楽器よりも音感を必要とし,「非人間的な」とまで言われる鍛錬を
こなさなければまともに楽器として演奏することすら難しいらしいです.
簡易テルミンは実は簡単に自作できるんですが,それを演奏できるレベルに
到達させようという気概はすでにありません.あくまでこれは憧れの楽器.
…遠い遠いとばかり言っていては何も始まらないのですが,あのブドウは
すっぱいに違いないとか言い出さないだけマシかもしれません.どんなに
現実がつらくても,なにかに憧れがあるというだけで慰めになるものです.
いつか好きな楽器を弾きながら,暖かい部屋で過ごせたらいいなあ,などと
小学生のような幼い夢をひきずっていたりします.心理学的にこういう夢は
どうなんでしょうかね.いろいろ分析するとアレコレあるのかも.…まあ
こんなふうな夢を見ていられるのはまだまだ甘ったれの証拠なのかもなあ.