羽ばたいていないから死んだように見えるだけさ


あの頃の僕らが嘲笑って軽蔑した空っぽの大人に気づけばなっていたよ.

…歌の文句にもある通り,なんだか働き出してから学生〜ひきこもりの頃に
抱えていたものが,少しずつ剥がれてしまいそうな気がしてなりません.
それは成長と呼ばれるものとは少し異なり,何かいろんなものを諦めながら
たどり着くものなのかもしれません.いやだ,という感傷を残しながら.
でもその「いや」が徐々に薄れ去って,日常にまで摺り潰された場合には
もうぼくはどこにも戻れなくなってしまうのでしょうか.…やだそんなの.

先日大学当時のメンバーが集まって忘年会を開いたのですが,もうなんだか
最後の方でブンガクロンなど突き交わしていたりしました.「結局しろさん
どうしたいわけ? 」と問われ,「うーん,一冊でも本を出版して,それが
誰かに読まれたらいいなあ」と答えたところそれは不正解.文章なんてのは
所詮メディアのひとつとして消費されてしまうもので,いっときの間話題に
昇っても,しゅるしゅると忘れ去られてはいおしまいー,っちゅー感じが
このところの文壇歌壇の傾向なのだそうで,そういうものは決して長くは
残らない.ぼくの書く文章の場合プロデュースを精密に行い,なお自分が
広告塔としてキャラを前面に打ち出せばなんとかなるかもね,というお話.
文芸部三本柱の三人はお互い協力したりフォローしたり,理由などもなく
飲み会を開いたりすることでいろいろよい作品が書ければいいね,という
そんな感じのおひらきでした.ぼくのことをちみっとだけでも気にかけて
くれるひとがいると言うのはなんと心強いことでありましょうか.とっても
心地よく電車に揺られてターミナル駅までいろいろ考えこんでました.
留まってないで,やっぱりなにか書いてみようと.そのほうが好きだから.

…終電がないぞ.乗り換え先の運行は本日終了致しましたの立て札が….
慌ててタクシーに乗り込み家に帰宅.いろいろあったので今日はもう寝よ.


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