白銀は招くよ


ひょんなことから話がもちあがり,突然スキーツアーに拉致られることに
なりました.なんでこんなことになったのかという経緯はこの際触れずに
おくとして,まあ週末の土曜日に出発,日曜日の早朝にペンションへと
到着,目が醒めたらおろしたてのウェアに着替えていざレッツスキー.

ウェアは貸出しもしてくれるらしいが,どうせ気に入ったデザインのものや
気に入った色がないだろうてなわけで自分で自腹を切って買いに行ったさ.
そして自分の腹が太いことに愕然としたさ.いいもん,意地でも白いウェア
探してやる.数件回ってようやく自分の腹回りが落ち着くウェアを購入.
幸いにもLサイズだったのが意外.LLかOかXXLか? と覚悟していたのだが.
ま,あんまり大きいサイズでもこんどは裾の長さでへちょるわけですが.

さて朝.ふわふわのさらさらのパウダースノー.さすが朝方まで粉雪が
しんしんと降っていただけのことはある.気に入っている白いウェアに
着替えて,いざ行かむ白銀のパラダイス.一緒に来ていた先輩は初心者で
半日スクールを受講していたが,ぼくは何度か経験があるため無謀に自力で
参加することになる.そして判明した事実.転びかたがヘタ.スキーでは
「うまく転ぶ」というのが基本中の基本であり,うまくきれいに転んだら
うまく素早く起き上がり,続きを滑るというのが正しい初心者の道なのだが
転んだっきり起き上がれないことたびたび.さわさわふかふかの新雪に沈み
「あーもーどーなってもいーやー」的感覚が湧き起こって来る.…もちろん
他のスキーヤーやボーダーの邪魔以外の何者でもないので,ささやかな夢は
諦めてもそもそと起き上がり粉雪を払うのでありました.ぱふんぱふん.

ペンションに泊まって次の日.ほかのみんなは元気に滑りに行ったものの,
ぼくだけ寝こけてたので車に載せてもらえなかった.スキーの楽しさよりも
おふとんのぬくぬくふくふく感が勝ってしまったのである.許せ雪たちよ.
午前中はぷうすか眠って過ごし,午後に他の人達が帰って来るのをお迎え.
腕が痛い〜とか腿が痛い〜とかいろいろなリクエストに応えてマッサージを
施術する.本当は整体師の免許があればいいんだけれどね.で,なんとか
疲れを癒したところでペンションを離れる.途中で蕎麦などを賞味しつつ
車で数時間のロングドライブ敢行.いや,運転するのはぼくではないので
頑張ってくださいねぇ運転手さん,ということで任せっきりのぼくである.

パッと行ってサッと帰って来た旅行ではあったが,自然に触れる数少ない
アウトドア体験なので大事にしようとは思う.でもねでもね,もう今年は
おかねがないから誘われてもスキーにはいかないからねっ.転んだ拍子に
首をひねったらしく,いまだにその痛みが残ってるし.また来年だ来年.


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