ニューウェイヴだったね
1975年生まれ卯年のぼくとしては,80年代というものはまあ半分くらいしか
関われてないのだけれども,それでも90年代や世紀を越えてからの今より
80年代のどぎつさのほうが好き.だと思う.現在のぼくにはあのころ手に
入れることが出来なかった,そしてもう手に入れることが出来ないあの時の
奇妙な熱情がいとおしかったりするのである.んで,わざわざ古本を漁って
当時のグルーヴ感を振り返ってみたりしてるのですが.いやなんというか,
ものの本にさらっと出るセリフがすごい.「わたしショーライヘア・メークか
スタイリストかイラストレーターかミュージシャンかデザイナーかエディターか
コピーライターになりたいんです!!」と叫ぶことが出来た時代と言うのは
今から思えば楽しさ一杯ゆめいっぱいで.本当にうらやましいのである.
いま現在世紀末も終えて21世紀,ぼくはコピーではないけれどもライター
もどきになって,なんとかお金を稼いでいます.80年代は根拠のない自信が
溢れていた時代,でも結局なにもなかったことになってしまった時代.
90年代は同じリズムでプロデュースしていけばいろんなものが売れていく
良くも悪くも計算高い時代.そして00年代(Naughties)になってしまって,
まだぼくたちは何を始めたらいいのかよくわかりません.文化を引っ張って
浮気な時代のトンガリキッズになれるような人間ではないことはぼく自身が
一番わかっているのだし.またなるようになるさと傍観を決め込んだまま
ぬっへっほーと過ごしていくのでしょう.ダメでもともとさえも厭わしい
クズ人間には,やっぱり80年代の楽しかった勢いは還って来ないから.