神さまも教えてくれないこと
なんかぽさぽさと今やってる仕事,いやこれは別にいいんですが,友人から
「謎過ぎ」と言われてしまいました.最近は文章書きの仕事があまり来ず,
社内でお絵描きと占いの研究をやっているのです.グラフィッカーな才能が
あるのならいいんですが,なにぶんわからないことがたくさんありますので
こんなんかなーどんなんかなーどーしよかなーなんでかなーと首を傾げつつ
マウスをぐりぐりゆわしてます.その他にも占いの道具とか作っています.
国内外のいろんな文献にあたり,占うために必要なツールを揃え,それを
簡単なスクリプトで参照できるようにするとかそんなかんじー.だけどまあ
プログラムの方がうまく組めなくてしょんぼりしたり,むしろそのへんの
技術面は他のもっとバキバキ組める人に丸投げしたほうが仕事は早く進むと
思うんですけどねえ….ああ,文章だけ書いて生活したいよう.ぐしぐし.
とかなんとかめそめそしながら動作確認をしていると,もちろん占い用の
プログラムなので自分の思惑とは関係なしにばかすかカードを引くことに
なるわけですね.で,その中には,「何も書かれていない」ものがひとつ
まぎれこんでいるのです.空白が暗示するものは運命だとか未知だとか
欠落だとか業だとかなんだとか,要するにまだ神さまさえもわからない,と
解釈するしかないわけです.他にもプラスとかマイナスの意味をもたらす
シンボルはたくさんあるのに,そこにあえて空白が紛れ込ませてあることで
深みを持たせているというかなんというか.既に約束された未来ではなく,
人知の及ばない所にさらに運命すら決まっていないという選択肢があると
いうことが面白いなあと思うわけです.自分で企画しておいてなんですが,
占いとかなんだとか,むやみに信じ過ぎると痛い目にあった時にショックが
大きいものですから.そもそもこんなに自分がへちょへちょなのに,そんな
人間の作ったドキュメントを読んで一喜一憂するひとの顔が見てみたいな.
文章を書くというのはいたずらを仕掛けるのにも似ていて,ターゲットの
反応を見ないと物足りないものです.だからといって「ねえねえこれ読んで
どう面白いつまらない感想聞かせて」と厚顔無恥でございますと看板下げて
のし歩くほどの度胸はなく,いつも電信柱の影から顔を半分出して相手を
ぐっと見つめるだけなのですが.そしてその結果評判が良くても悪くても
なんらかの形で評価してくれるだけでそれはもうとても嬉しいものです.
しかし最近はそういう評価を与えてもらえるようなブツを書いてもいないし
そもそも仕事での文章は別物というか評価外なのが悩ましいところです.
そうそう,空白のシンボルにはもうひとつ意味があったっけ.「秘密」.
ぼくがなまなましいものを避けてあえて個人や特定地域を断定しないように
書き続けているのがシバリになってるのかもしれません.でもこうやって
周囲に配慮というか自分のことしか考えてないというか,そんな書き方も
継続して書き綴っていくことで何かの意思表示になれば,と思うのです.
秘密主義者め,と罵られそうですが,人が思うよりぼくはナイショにしてる
あれやこれやが多い…と思いますぞ.基本的にはカードを全部晒すけれど,
一番最後に大負けすることは許さない.オープンに見えて結構姑息です.
神さまは教えても守ってもくれないから,これくらい許してくださいよぅ
お願いですから.と,修行中あるいは捏造中の占い師は語るのでした.