まあ生きているといろんな調べ物を
することになるわけです.そして
書きものの都合でギリシャ神話に
まつわる話をあれこれ拾っていたら
ペルセウス伝説で鎖につながれた
アンドロメダ王女ってエチオピアの
王族だったんですね.ヨーロッパの
イメージが強かったので,よもや
アフリカ人とは思いませんでした.
現在のエチオピアは紅海沿岸にある
エリトリアが独立した事もあって
海から離れた内陸国だし,ますます
海辺で怪物と攻防するペルセウスと
その脇で事の成行きを見守る大岩に
鎖で繋がれ波に打たれる女性,と
いう脳内図が崩壊していくんですが.
ちなみに現代エチオピアはアムハラ族
ティグライ族オロモ族などを筆頭に
約80の民族からなる国家だそうですが
地理選択者としては大学受験当時に
エリトリア独立に伴い教科書や地図が
書き換わった事に憤りを憶えました.
ミャンマー・ナミビア・エリトリア・
バルト三国・ロシア共同体・チェコ
スロバキアやユーゴスラビアの分裂,
あの頃地理の教科書はめくるめく
変化を遂げておりました.もちろん
ナイーブな問題なのですぐに入試に
採り入れられることはないものの,
知っておかないと話が始まらないし
大変でした.いやーまったくもう.
歴史のゴタゴタが嫌いだから地理を
選択したというのに,歴史が動いて
世界地図が日々書き換わってました.
今も世界の歴史はリアルタイムで
進んでいるわけですが,今を生きる
受験生たちもいろいろ大変なのかね.
新聞も読まず日々無為かつ自堕落に
生きるおじさんにはもう世界の事を
見通すことはできなくなりましたよ.
知ってしまったがために口を噤んで
しまうこともあるものですから….