夜の人生相談

お電話ですよーと電話が呼んでるので取る.ああ,
今日過呼吸で連絡してきた後輩だ.その後の仕事は
どうだった? と聞くと暗い返事.どうやらいろいろ
ナーバスな時期らしく,がっぷり四つで人生相談.
とはいえ理不尽な怒りに身を震わせるよりは,はい
今までは忘れて次行きましょう次,というタイプの
人間であるぼくとしては,人を励ますのにはあんまり
向いていないのかもしれない.人生の意味なんてものは
考えているようじゃ生きていけないし,生きてるうちに
ふとした瞬間に目から鱗が落ち,生きることの意味を
素直に心に知ることができるものなのかもしれない.

ぼくも睡眠障害などとおつきあいして20年ほどにも
なりますか.精神科に通いながら薬を服み続けて,
なんとか今の状態でけらけら笑っていられますが,
そこに至るまではまあいろいろとね.ここで「実は
こんなんやってーん,ぼくの人生酷いやろ苦しいやろ
辛いやろ切ないやろ,同情された方はもれなくこの
メールボックスに励ましの言葉を送ってください,
その御愛顧に耐え切れなくなってしまってさらに
ダウンになってしまいます」とか言うのはちょっと
恥ずかしいことだよねぃ.そういうことを言わずに
まあなんとか生きていてくださいと信憑性のない
感想を漏らされても相手も困惑したかもね.まだまだ
話すことはあったのかもしれないけれど,23時過ぎは
お薬タイムなのであります.10時半にアラートが鳴り
「薬,不足してまっせ,ぴっぴっ」と教えてくれる.
この音に気づいたのでやむなく電話を終えていただく.

切る前の最後の言葉.「ぼくも薬を服むから,君も
この電話が終わったらすぐ薬を服むこと.そして
疲労が溜まらないようにできるだけベッドで眠る.
明日明後日の予定を考えて,だけどほんの5分前の
自分の居心地がよい状態を目指して行動を取って
ください.」心配してるんですよ,これだけ軽口
叩いてるように見えるけど,そりゃ心配ですとも.

ぼくも薬を服んだのでここから先は寝ます.ぐう.

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