このところ午前はずっと寝て過ごしているような.朝は食事が来るまで
うつらうつら.食事を下げて点滴の間もほとほと.途中でベッドシーツの
交換で強制立ち退きを食らったものの,ロビーの中になぜか揃ってる
黒い漫画を読み耽る.生活が慣れてきていますか? それが終わると
また戻ってほろほろ眠る.今日の回診,酸素濃度を薄くすることになる.
また,酸素無しで歩き回り,つらくなったら慌ててベッドサイドの
壁から生えてる酸素吸入器を被ってもよいとのこと.これまでのことで
勝手なことをやってたら叱られると思っていたが,むしろやってまれな
状況らしい.しかし夕方まで過ごす夢を昼前に見てしまい,今食べて
いるものが昼ごはんなのか夜ごはんなのか釈然としない.ああ,やっぱり
ぼくの体内時計なんてぶっ壊れているのかもねえ.しかたない話です.
ぼーっとしてるとお見舞い客来方.社長直々.うおお.暇そうやね,と
最初のひとこと.確かに本読むか文章書くかしかございませんので….
現在の病状,復帰スケジュールなどを説明.復帰するための椅子が
あるということがわかって一安心.そして,「なかむらさんがうちの
会社で働いてくれることで,心のプラスになるかと思ってたけれど,
それはなかったのかな…」とのこと.そんなことありません.いや
むしろ全身全霊をこめて否定.仕事がある,なすべきことがある,
求められている,ということは弱いこころの大きな支えとなるのですよ.
金銭の問題とかだけじゃなくて,もっと根元的ななにかなのです.
ひとは求められなくなったら弱すぎて死んじゃう生き物ですから.
次のお見舞いは同居のひと.退院時期についての打ち合わせ.すでに
この時点で酸素はもう外れていて,自分の肺で自分の呼吸.書類を
窓口で申請するのも自分の足と自分の肺で.まだ腹に力は入らない.
でもなんとか声を出すことはできる.指先に繋げられっぱなしの
パルスオキシメーターで確認すると,なんとか90%をクリアしている.
もうこうなると体感ゲームだ.とでも思ってしまえ.結果は常時
モニタリングされているため,ヤヴァいスコアが残ってもリセットを
かけることはできないけど.…というか真面目にリアルに生きようね.
そろそろ荷物をまとめないとなあ.あと,風呂に入りたいよう.