奇跡的に朝仕事に間に合う.されども
ぬっほりとひとり淋しく午前を過ごす.
週末なのでぱーっといきたい気分では
あるのですが,仕事帰りに整骨院にて
思うさま揉まれるのと,帰り道にある
ホームセンターで日用品をカゴ一杯に
買うのが精一杯でした.同居のひとが
料理始めた記念に左利き専用の包丁を
プレゼントしようかなと思いましたが,
なにせ高い.今日カゴに入れたものが
全部買えちゃうくらいのお値段なので
頓挫.所詮その程度の散財で晴らせる
庶民的な憂さなんです.清貧の思想で.
家に着くと今日もごはんの炊ける匂い.
いろいろとおかずを作ってくれている
同居のひと.千切りされたキャベツを
皿に敷いてましたが,ドレッシングを
買い忘れていたそうです.困ったねえ,
マヨネーズも切らしてるよ.それじゃ
作ってみようか? と切り出してみると
じゃあお願い,とのことで台所に立つ.
ちょうど今日買ってきたボウルの中へ
オリーブオイルをたらりと垂らします.
イタリアの格言だったかな,小さい頃
読んだ本の一節を口ずさみながらです.
『おいしいドレッシングを作るんなら
四人の男が必要だ,油を入れる気前の
いい奴,酢を入れるけちんぼう,塩を
入れる賢い人,そして最後に何もかも
混ぜ合わせる気違い』.不適切用語も
混在しますが古典引用なので御容赦を.
つまりドレッシング作りには油が多め
酢を少なめ,塩は適量で最後ひたすら
よくかき回せということです.ひとり
四役となりオリーブオイルに穀物酢と
レモンをちょっとずつ入れ,香菜入り
岩塩をぱらぱらっと振り入れ,最後に
精神的にチャレンジャブルな人となり
泡立て器を使いしっちゃかめっちゃか
かき回します.ボウルを傾けカツカツ
泡立て器を叩き込み,油と酢を馴染ませ
完成です.即席で作ったわりには割と
好評でよかった.これくらいはせめて
家のあり物でちゃっちゃと作れないと
主夫の名折れです.…主夫になりたい.
おいしく食事をいただいて,ようやく
明日は休みです.昨日一昨日の遅刻で
罪悪感が残る苦い週でしたが,これで
また二日間ゆっくりすることにします.