そう呼ばれたとしても

「痴呆」呼び名見直し 「6つの代替案」厚労省、HPに掲示

「痴呆」という言葉の呼び変えを行うそうで.代替の
候補として挙がっているのは「認知障害」「認知症」
「記憶症」「もの忘れ症」「アルツハイマー」そして
英語直訳の「ディメンシア」の六つ.まあ最後のは
採用され難いようですが.しかし呼び方さえ変えれば
それでいいのか,と疑問はいつも浮かんで来ますねえ.

精神薄弱は知的障害,精神分裂症は統合失調症.でも
名前を呼び変えたところで,所詮は世間体の問題で
あることが多いようです.「誤解を与える表現」と
言われても,そもそも理解を得にくい症状である以上
まずはわかってもらうことから始めないと,ただ単に
呼び方で鉾先を変えるようなことばあそびはあまり
意味がないことでしょう.言葉狩りに関してはこれまで
いろいろな過去があります.言葉を使う側がやたらと
「そう言われてかわいそう」と決めつけてしまうのも
問題があるし,「そう言われたら誤解されるだけ」と
決めつけるだけで,実態を理解してもらうための態度を
放棄して言葉だけをねじ伏せるのも,馬鹿馬鹿しいなと
個人的には思います.なにやってるんだろうね,と.

「記憶症」でも「もの忘れ症」でも「認知障害」でも
なんでもいいんですが,そう呼ばれる側はどのように
感じているのか,現場の声が聞いてみたいと思います.
決してそれがその家族や周囲の体面だけで決められた
ものではないと思いたいのですが,どうなんでしょう.

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