ちょっとしたものの言いかた

人に対する印象と言うのは不思議なもので,
ちょっとしたものの言いかたでその雰囲気や
人柄が出てしまうものである.ものすごく
速く話すひとは頭がよさそうに見える半面,
慌ててたり急かしてたりするようにも思える.
話すのが遅いひとは説得力があるようにも
見えるが,逆に頭の回転が鈍かったりもして.

今日気になったのが,「わかりますか」と
「わかりますね」の違い.前者は確認を求め
相手とともに話を進めようとしているけれど
後者は自分の考えが正しいのを前提に,半ば
強制的に賛同を得ようとしてるように思えて
しまうのです.本当にちょっとした言葉尻の
問題なのですが,そういうところで知らずに
小さく損をしている場合もあるかもなあ,と
思った次第.単に自分が言葉を地味に選ぶから
そういうところに敏感になっているだけかも
しれませんけどね.サポートの仕事をしてると
ことばが商売道具なので,ついつい必要以上に
表現を選んでしまうのですが,どうなんでしょ.

仕事中にいくつか友人などからメールをもらう.
昨日断った友人から,今日も休みが取れたけど
会えない? との知らせを受けて,仕事を終えて
食事に出かける.勝手もわからずイタリアン,
フォアグラごちそうさまでした.わーいおごり.

しかし仕事から離れても時々ことばについて
考えてしまうのは,半分職業病みたいなもの.
もういっそ京都人のようにもって回ったものの
言いかたを研究してみたいものです.そして
「つまらないものですが」ととらやの羊羹を
東京土産として京都人に差し出してさんざんな
嫌味など言われてみたいものです.言語学で
そういう有名な話があるのですよ.もともと
京都由来のものをそう差し出すと,おかえしに
「つまらないものですが」と京都本店のとらやの
羊羹を差し出されるとか.京都,恐ろしい街.

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