わたしにはできない

自分がインテリではないのだと
自分でわかっているので,時には
インテリの振りをしてみたくも
なるものです.ネットを徘徊して
とある場所で拾った「泣ける」と
評判の文章.全部英語だ.しかも
そんなに短くもない.だけども
多くの日本人が辞書を引きながら
読んでみて泣けました,と感想を
表明しているので,こうなったら
ひとつ読んでみようじゃないのと
思い立ってしまったりしたのです.

さて.内容は家族もの.ここで
ネタバレするのもアレですので
詳細は伏せますが,いくつかの
語彙は英英辞典で補完.せっかく
英語の文章を読んでいるところに
英和辞典も野暮かな,と思って
慎ましく COBUILD の辞書などを
本棚から引っ張りだしてきては
めくりめくり調べてみたりです.

で,結果的にはこれっぽっちも
泣けませんでした.えー,人は
不幸になってなんぼだし心は
すれ違うものだし,最終的には
なにもかも分かり合うなんて
嘘っぱちだと思っているのは
人間としてダメなんですかー.
主人公がささいなすれ違いから
家族の絆を失っていくのですが
根本的な感情が欠落してるのか
普通の物語としてしか読めない.
個人的な経験が乏し過ぎるのか
豊富過ぎるのかわかりません.

この程度の不幸ならどこにでも
転がっておるわい,とため息を
つくくらいしかできなかったな.
英語の辞書を引いてまで読んで
ふーんで終わるなんて,なんて
アンチクライマックスなのだろ.
普段は結構涙もろいのにねえ.

今後の人生でも悲しいことは
自分にも他人にも多くの人に
たくさん起こることでしょう.
そんなことに直面してもまだ
ぼくは泣けないのでしょうか.
そんな冷たい人間だったかなあ.

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