仕事を終えて帰る道すがら,風に
ほのかに交じるキンモクセイの
香りが実にすがすがしい季節です.
今はまだ花が開ききっていなくて
ちょうどいい風情ですね.これが
満開になる頃には遮二無二押しの
強い香りになってしまい,自分内
風流ポイントマイナスになります.
んで,いちおうアロマテラピー
アドバイザーの資格を所持して
ひとサマに香りのおもてなしを
お勧めする立場としてみれば,
キンモクセイの精油もしっかり
キープしておきたいところです.
持ってはいるのです.が,どうも
使い方が難しい香りのひとつです.
もともと花から採れる精油の量は
ごく少なく,貴重品につきお値段も
そこそこ張ります.ちゃんと自腹で
買いましたよ.で,個性が強くて
下手に使うとどーしても「ああ,
トイレの芳香剤…」となってしまい
初秋のかそけき風情がぶち壊しに.
しかも調べてみたら,比較的単純な
処方で特徴が出せるので一般的に
調合香料が普及なさっていやがって
おりますです.つまり,労多くして
実り少ない.…うう,このひと瓶に
うん千円つぎこんだというのになあ.
ふてくされていても始まらんので
実際に調香だ.陶器の調香カップに
重曹を小さじ3杯,高価な高価な
キンモクセイの精油を一滴.すでに
この時点でむわっと濃厚な香りが.
印象を軽くするためレモンを3滴.
もちろん果汁じゃなくて精油です.
あと「花も羞じらい開きかけ」の
イメージを出すためにグリーンの
印象が強いプチグレンを1滴追加.
ガラス棒でまぜまぜして,そこに
少しずつ水を加え溶いていきます.
完全に溶かしたら,お湯を張った
浴槽にどーんと投入.むらなく
かき混ぜて,なかなかよい感じに
仕上がったんじゃねえの? ふふふ,
この心地よい空気をひとりじめさ.
ここまで書いて,ちゃんと風呂に
入ってきました.肩まで浸かって
100まで数えて,それも意味もなく
英語で100まで数えて,ほっこり
ぬくもってきました.これから夜が
冷えて来る季節,あったかくして
寝ることにしましょう.おやすみ.