死なないためにしたためるのだ

朝に日記を書いてから寝逃げ.会社にも
行かずにふとんを被って念じるのです.
何も考えるな,何も考えるな,考えるな.
でもそう念じるたびに痛いものは心から
浮き上がって来て,へとへとに疲れ果て
いつしか眠ってしまう.そういえば昨日
夢を見たっけ.まだぼくは少年で,まだ
父親のひとも母親のひとも元気で,もう
嫁いだ姉のひとも,飼っていた犬もいて.
引っ越してきたばかりの家で自分の荷物を
より分けて,一緒に台所でごはんを作る.
…とても悲しい夢でした.心が傷みます.

昼過ぎからたくさんの友人から心配され
電話を受ける.大丈夫だよぼくはたぶん
自死したりしないから.たくさん泣いて
しまうことはあるけれど泣くだけだから.
あちこちに迷惑をかけてしまったようで
これもまた世界中に向けて謝り倒したい.
電話ではよくメシは食えと忠告されるが
相変わらず食欲と言うものが欠落してて
昨日くらいからほとんど何も口にできず.
水分だけは摂ってますが,それ以上無理.

次に会える頃には少し痩せてるかもねと
嘘ばっかり言いながら,これ以上悲しい
出来事を思い出さないようにまた寝ます.
この行動は後ろ向きなんかじゃないの,
死なないために精一杯の抵抗なんです.

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